神や悪魔の領域に達した藤井聡太4段、ここがすごい!アマ有段が解説

将棋の藤井聡太4段が、14歳の最年少棋士として注目され、デビュー以来無敗の現在24連勝中である。


この記録は連勝記録としては、あの羽生善治を抜き歴代2位、デビュー以来の連勝記録としては歴代最高記録を更新中である。

そんな藤井4段のスゴイところをアマ有段の私がまとめた。



1.劇的デビュー!天才、加藤一二三を下す!


ドラマとしか言いようがないデビューだった。

「神武以来の天才」と呼ばれ一時代を築いたベテラン棋士加藤一二三が、初戦の相手。

正面から堂々とぶつかり合う横綱相撲の矢倉で、藤井は勝利した。

藤井4段がプロになる前まで、約60年の間破られなかったプロ棋士の最年少記録を持つ加藤がデビュー戦の相手というのは、「持ってる」としか言いようがない。

ここから藤井の連勝記録は始まる。



2.ジジイ?AI?14歳とは思えない棋風!


藤井は連勝を積み重ねる。「若いのに強いんだね」くらいはニュースを見てる人もわかると思うが、実は対戦の内容がスゴイ。

攻めるべき時は攻め、守るべき時は守る。若手棋士にありがちな「自分の棋風を優先した故の悪手」がなく、まるで勝負所を知り尽くした大ベテランのようだ。


また、藤井の指し手はソフトとの一致率も高い。実際に角換わりで自陣の桂打ちなど、「感覚的には指しにくいが、局面が進むと良くなる」というコンピューターに多い手もある。

よく「若いからソフトとよく対戦して学んでるんでしょ」と思われがちだが、筆者はそうでないと考える。

将棋の形成判断で、「有利」まで行かないところで「指しやすい」という言葉をよく使う。藤井4段はこの「指しやすい」で判断することが少ないのではないか。

「指しやすい」で読みを終わらせず、「有利」まで読み切っていなければ、あのような一見指しにくい手は指せない。

その結果が、「指しやすい」という感情を持たずに数値で形成判断するAIとの高い一致率につながっているのではないか。

大ベテランにせよAIにせよ、とにかく藤井4段が14歳とは思えない将棋を指していることは明らかだ。



3.20連勝目のヤバイ棋譜!神や悪魔の領域へ...!


ここまでは、藤井4段の14歳離れした強さを書いた。ただし、20連勝目の棋譜では「人間離れ」した片鱗を見せた。

相手はタイトル戦で優秀な成績をおさめる若手の強豪、沢田六段。中盤で差をつけられ藤井四段は敗勢の大ピンチ。

どのくらいの差かというと、藤井四段と100万回対局しても確実に100万回負けるアマチュアの私が、「この局面から指せば勝てるんじゃないの?」と思っちゃうくらいの大差だ。あと1手を沢田六段が指せれば藤井四段の負け(詰めろ)という所まで来た。

ここから藤井四段は11手に渡り連続の王手をかけ、そのあと1手を指させない。

そして藤井の121手目は7六桂打ちの王手。この駒、タダ取りできる駒である。沢田六段は、詰めろをかけていた攻め駒でではあるが、その桂馬を取る。安全に勝てそうな順で自然な手だ。

しかしこの手が「悪魔のささやき」のような手で、形成は急変。詰めろが解除され、なんと藤井四段は強豪相手に大差から逆転勝ちしてしまう!


人は皆、終盤では「まぎれの発生しない安全な勝ち方」を求める。ほとんどのケースでそれが最善で、勝率の高い考え方だ。

藤井四段は持ち時間が無い相手に対し、「この桂馬タダですよ、攻め駒で取れば安全に勝てますよ」という人間心理を知り尽くした甘い罠を仕掛けた。

人間心理を手玉に取り、大差からでも逆転してしまう。20連勝目で藤井聡太四段は、まさに神や悪魔の領域に足を踏み入れたと言えるだろう。


以上3つが、藤井聡太四段のスゴイ所だ。これからの活躍にも注目だ!